最近、アメリカの国家情報庁が、ある手紙を全世界に向けて公開した。しかし、世界の
期待感とは裏腹に、その手紙はビル・クリントンがモニカ・ルインスキー
に送った下ネタ満載で猥褻極まりないラブレターではなく、香味料をふりかけてもゴシップの香りがしないたぐいのものだった。
だが、それにもかかわらず、この手紙は大きな注目を集めた。それもそのはずで、この手紙のあて先は、イラク中を恐怖の渦に巻き込んでいる、国際テロ組織
ア
ルカイダのアブ・ムサブ・アル・ザルカウィ。そう、あのどっかのテレビ局のイラク特派員が間違って言った”ザルカイダ”で有名な彼ですね。
そして、差出人はアルカイダのナンバー2であり、あのオサマ・ビン・マダ・ツカマン・ネエノカ・ラディンの主治医と言われているアイマン・アル・ザワヒ
リ。
つまり、この手紙は、アルカイダの幹部同士によるものだったのだ。これでは、世界の注目をあびるのもうなづける。
手紙があるなら居所も簡単につかめんじゃねえのか?という疑問はさておいて、彼らがどのような事を書いているのかみてみよう。以下はその手紙である。
親愛なるザルカウィへ
ハロー!ザル!元気でいるか?攻撃はすすんでっか?イラクにはなれたか?友達できたか?たまには連絡しろよ。金頼むの一言でもいいぜ。
俺たちゃバリバリ元気だぜ。もう超元気って感じだ。最近こっちじゃアメ公もおとなしくて、プチ過ごしやすいよ。
それはそうと、いつもCNNのニュースでお前の活躍見てるぜ。がんばってるじゃねえか?しかし、あのキャスターの女はイケてるな。マジで。12番目の嫁
に
してえぜ。オサマは、アルジャジーラの男のほうがいいっていってるけど、あいつは俺の好みじゃねえな。お前はどうよ?
こないだ、オサマと話してたんだけど、ヤンキーどもは思ったより早くイラクから逃げ出すんじゃねえかな。お前の攻撃に、びびったアメリカ人が、反戦運動
は
じめて、ブッシュの支持率が落ちてるらしいぜ。マジで。
しかし、さっさと、出てってもらいたいもんだぜ。じゃねえと、イラクに俺達の国をつくる計画を実行に移せないもんな。早くしねえと、国ができる前に俺達死
んじまうぜ。もう若くないんだし、腰も悪いしよ。(爆)
そんで、暇だったから、新政府の役職決めておいたぜ。オサマが大統領で、俺が副大統領、それでお前はイスラエル抹殺大臣兼死刑省長官、政治オブザーバー
に
は元タリバーンのオマルを呼び寄せる事に決まった。あいつには俺達の目指す国をやっていた実績があるし、それにオサマとあいつは・・・ほら、分かるだろ
う?
まあ、そういうわけで、お前には高待遇が待ってるから、気を引き締めてヤンキーを追い出してくれ。
それと、お前がやってる処刑の首切りだけど、あれどうかと思うぜ。こないだビデオもらって、ポルノだと思ってみたら、お前の首切りだったんだよ。マジ気
持
ち悪りいよ。あれから、3日ぐらい飯食えなかったぜ。まあ、ラマダン中から別によかったけどよ。でも、他の奴らからも不評だぜ。あれじゃあ、一般大衆がつ
いてこないんじゃねえかってな。マジで。
それから、これは俺の考えなんだけどよ。テレビはもっと活用したほうがいいと思うぜ。大衆は、テレビをすぐ信じるからな。”アルカイダ・ステーション”
と
か”めちゃめちゃアルカイダ”とかいう番組作れば、すぐに自爆志願者も増えると思うぜ。特にアル・ジャジーラ、もっと活用しろよな。
さて、紙がなくなりそうだし、この辺で失礼するよ。(笑)それじゃあ、お前がイラクで勝利をおさめて、俺達の国が出来る日を楽しみに待ってるよ。マジで
愛を込めてあなたのアイマン(爆)
PS:オサマが、今度来るときI-pod買ってきてって。マジで。
この手紙は「手紙があるなら居場所も分かるんじゃねえか?」という疑問をさしおいて、世界に大きな衝撃を与えた。「やっぱりアルカイダはアメリカがイラ
ク
から出てった後に自分達の政権を創るつもりなのか?」「タリバンみたいに抑圧的になるのか?」「最終的にはイスラエルを攻撃するつもりなのか?」「ビンラ
ディンはゲイなのか?」等々。そして、多くの人がこう感じた。「今、アメリカがイラクから出て行ったらどうなるのか?」
もちろんアメリカ政府も、この手紙で同じように感じたらしく、ブッシュ大統領は手紙が発表されるやいなや(推定所要時間1.28秒)「今、米軍をイラク
か
ら撤退させたら、テロリストに国を乗っ取られる事になる。だから、我々は撤退しない。」と、テロ戦争とイラク駐留の存続を訴えた。そして、反戦運動活動家
達に対しては「テロリストを利することになる。」と無視を続け、イラク支局が封鎖されてるアルジャジーラに対しては「それみた事か。やっぱり封鎖は正し
かった。」と自画自賛した。
もちろん、人々もあの手紙を読んだ後だから、反対なんかできない。そしてイラクでは殺し合いが続く事となった。めでたし、めでたし。
ちなみに、この手紙をアメリカが入手した経路は不明。でっち上げでないことを祈るばかり。
2005.11.11
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