社会風刺ユーモアコラム〜ハブの卵〜

コラム☆即フリ・無利息・担保なしの日本政府金融。米軍限定☆

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 人類が誕生するよりはるか以前。混迷を極めていたイラクで日本人3人が拘束され、犯 人から「自衛隊を撤退させなければ、3人を殺す。」と脅されたとき、時の首相であり、すぐに感動する事で有名な小泉純一郎は、世間にむけ、こう言い放っ た。
「テロリストとは、いかなる交渉もしない。」

 彼がこういった背景には、”一度要求を呑めば、相手に日本は要求が簡単に通る国と思われ、また日本人が狙われかねない。”あるいは、”どうしようか考え ようにも、彼の脳の最大容量をはるかに超えており、正直どうなってもよかった、”のどちらかがあったのだろうが、とにかく、この発言は物議をかもした。賛 成派は「自己責任だから、あんな平和主義者のヒッピーどもなんか、ほっとけ。」と発言を擁護し、反対派は「自分の息子が誘拐されても、同じ事が言えるの か?」と詰め寄った。

誘拐犯   「売れない息子が殺されたくなかったら、1億円払いな!」
売れない息子「助けて、パパ〜!」
小泉    「ウッ!孝太郎・・・ピー、メモリーガタリマセン」

閑話休題

 結果的に、日本人は解放されたので、批判はそれ以上の広がりを見せず、逆に、小泉はテロに屈しない強い首相と言う虚像を打ち立てることに成功した。それ からというもの、「リーダーシップのある首相だ。」「強い日本の復活だ。」「奴のはまるで馬並みだ!」などといった言説がささやかれるようになったのだ。

 しかし、今、そのマッチョな小泉像に、ほころびが見え始めている。脅しには屈しないはずなのに、ある卑劣漢に、「出て行ってほしかったら、金をだし な。」と言われるやいなや、推定0.07秒の素早さで、支払うことを決定したのだ。
 その卑劣漢とは、もちろんアメリカのことで、彼らは、日本中いたるところにフランチャイズ展開していて(店長候補募集中)、日本の国土の実に0.3パー セントをしめる、在日米軍の一部をグアムに移転するのに必要な費用を、日本に負担させようとしているのだ。その額や、なんとあのビルゲイツの年収とほぼ同 じ一兆円。この法外な要求を、小泉は簡単に飲もうとしているというわけですね。

米軍「♪小泉のちょっといいとこ見てみたい。」
小泉「ゴキュ、ゴキュ、ゴキュ!プハー!ふう、さすがに1兆の負担はきついぜ。」
米軍「あー?!ご馳走様が聞こえな〜い!もう一回!もう一回!」

 これには、腹の虫がうごめくのを、抑えることができないが、だがしかし、この問題を、単なるアメリカの横暴と小泉の従属として、片付けるのは早急すぎる というものだ。問題の根は、もっと深く、そして驚くほど入り組んでいる。
そう、それは、まるでぼくの家庭事情のように・・・


 ぼくの家庭は、政府が、ありとあらゆる機会に想定するが、実際には特別指定保護動物に数えられるほど希少になった、いわゆるモデルケースと同じ、親2人 子2人家庭だ。
 ぼくと妻に可愛い娘と生意気な息子、そしてジョンと言う名のおじいちゃん。
時々核兵器片手にケンカもするが、仲良く暮らしている。10年前には、狭いながらも、念願だったマイホームを手に入れ、まさに幸せの絶頂だ。

 しかし、ぼくには、一つだけ悩みがある。それは、居候の存在だ。
彼は、自称用心棒。頼みもしないのに「俺がお前らを守ってやるんだ。」といって、マシンガンと手榴弾で武装して、我が家に居座っているのだ。
 おまけに、守ってんだからという理由で家賃は払わず、それどころか、生活費までこっちに出させる始末。しかも、我が家の家計は火の車だと言うのに、「ス テーキが食べたい。」とか「奥さん。すしの上頼んで。」とか贅沢しほうだい。「大切なのは思いやりだろう?」が彼の口癖だ。

 彼は、お前らを守ってるからといっているが、毎日のように、我が家から、遊びに出かける。聞くところによると、彼の家は隣町にあるらしいが、我が家のほ うが遊び場に近いから便利なんだそうだ。だから、ぼくは、彼がウチに居座ってるのは、それが理由なんじゃないかと、密かに疑っている。

 だが、銃を構えてる相手に文句は言えず、いつだってぼくらは彼の言うなりなのだ。もっとも、ぼくらが言いなりなのは、彼と妻がデキてるというのも、理由 としてあるが・・・(彼に言わせると、彼がウチに居座ってるのは、妻の強い要望らしい。)

 だが、もう我慢の限界だ。ある日、ぼくは、覚悟を決め、居候にこういった。
「どうです?そろそろ、出て行ってくれませんか?」
 すると、彼は、銃を手にしたまま、こう答えた。「なんだと?俺がいなくなったら、すぐ北にやられるぞ。」うちの北側には、銃マニアの精神病患者が住んで いる。
「確かにその可能性はありますが、武装した好戦主義者と非武装の非戦主義者、攻撃される確率は似たようなもんでしょう?それに、万が一襲って来たら、家族 ぐらい守って見せますよ。」
「パパ〜!武(息子の名前)が、ジョンをいじめてる〜!」これは娘だ。
「武!ジョンをいじめるんじゃ、ありません!」妻が叫んだ。

「そこまで、言うならしょうがない。近くに俺の別荘があるし、そっちに引っ越すよ。俺も、ちょうど、そっちのほうが、何かと便利だと思ってたところなん だ。そこなら、ここに何かあってもすぐに来られるからな。」彼は、そういって妻に目配せした。
「そうですか・・・」ぼくは言った。
「ああ、その代わり、引越しの費用の75%は、出してもらえねえかな?」
「えっ!?」」
「でてってほしいんだろう?え?」そういって、銃を握りなおした。


 ほとんどすべてが作りばなしだが、この我が家の事情と、米軍再編問題のなんと酷似していることか?ほとんど、同じ話なのではないかと、思えるほどだ。
 だが、そのお陰で、我が家の問題の中に、米軍移転の問題点が、ありありと見えてくるようだ。つまり、この我が家の家庭事情を理解することが、米軍問題を 理解することにつながるのではないだろうか?

 では、最大の問題点とはいったいどこにあるのだろうか?
もちろん、自らのやりたいようにやりまくるアメリカの横暴な態度と、他には強気なくせにアメリカにだけはヘコヘコしまくる小泉の従属姿勢ですね。だいた い、それ以外になにがあるってんだ?え?

2006.03.24

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