社会風刺ユーモアコラム〜ハブの卵〜

コラム☆クソヤロ〜!私怒ってます!☆

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 中央アジアは、カザフスタンのオクチャブリスクにあるカザフスタン国立オクチャブリスク大学(通称KO大学)という架空の大学の教壇に立つマクシム・レ オニドビッチ・ザルドーフ教授の研究によると、”自慢ではないが〜”ではじまる話の93%は自慢話であるらしい。彼の論文”自慢じゃないが私は14年間自 慢じゃないが話を記録し続けた”によれば、自慢じゃないがから話を始めた人間は、脳内の”優越感物質”が普段の7倍、”すげえだろ俺はお前とは違うんだよ 物質”にいたっては普段の10倍にまで増幅するそうなのだ。まったく、人間というのはずいぶん自己顕示欲が強い生き物ですね。

 さて、だいぶ回り道したが、そろそろ本題に入ろう。
自慢ではないが、ぼくはほとんど怒る事のない穏健な人物としてその筋(そこのスーパーを右に曲がったあたりの筋)ではけっこう有名だ。

 犬に小便をひっかけられても、小学生に「このカマ野郎!!」と罵られても、娘が「人の心は金で買えるんですよ〜。まあ、全部想定内ですね。」という奴と 結婚したいといってきても(まあ、ぼくに娘はいないが)、怒らずに笑っているため、近所の人には、仏のような心の持ち主の大仏さんと呼ばれている。いや、 待てよ・・・まさか、顔のせいじゃないだろうな・・・

 まあいい。とにかく、ぼくはそれほど怒らない人間なのだ。
「何が穏健だ。結局はびびりじゃねえか。このチキン野郎!」
なんだと!?ぶん殴ってやる!!
・・・失礼。悪魔が舞い降りてきてしまった。

 まあ、それほど怒らないぼくなのだが、先日あるニュースにふれ、ついに怒りがターバンの中に爆弾を隠し持っていた人のごとく爆発してしまった。

 そのぼくの怒りを買ったニュースとは”エクソン・モービル、アメリカ史上最高益を記録!!”という感嘆符が2つもついたニュースだ。
そのニュースを扱った新聞記事によると、なんでも世界最大の石油関連企業であるエクソンモービル社がアメリカ史上最高となる4兆円も儲けを記録し、会社の 役員、株主から、掃除のメキシコ人までもが、一般の金持ちと同じようにプールサイドに寝そべっては、極めて裸に近い格好の美女をはべらしながら、82年も のロマネコンティを飲み、ヘロヘロになっては、家に帰ってドリームキャストで遊ぶという豪遊の毎日らしいのだ。
はっきりいって、これには怒りを抑える事ができない。

「成功者を妬む風習を改めなければなりませんね。それから、靖国参拝は正しい!これは問題にする方がおかしい。」という小泉の言葉が今にも聞こえてきそう だが、その前にぼくの憤慨の理由も分かってもらいたい。

 ぼくは、何も「4兆円も儲けるなんて不平等だ!俺にも美女をはべらせろ!」といいたいのではない。
・・・いや、本当ですって。本当にそんなこと思ってませんてっば。まったく、人をそんな妬みを抱くようないやらしい人間だと思わないでくださいよ。ぼくが 思ってるのは「クソッ!うらやましいぜ!俺も美女をはべらしてえ!」だけですよ。ホントに嫌になっちゃうぜ。人を疑うのもいい加減にしてくれってんだ。も う・・・

 さて、ぼくがエクソン・モービルに怒りを抱いた訳はとっても簡単。奴らの儲けた理由が気に食わないからだ。そう、この会社は、現在続く止まる事を知らな い原油価格の高騰の恩恵をもろに受け、この史上最高額を叩き出したのだ。

 そんなバカな話があってたまるか!?という話である。我々の生活は、この原油高のお陰で、大晦日にボビーオロゴンを圧迫する曙のごとく、家計を圧迫され ている。
特に灯油の値上がりは著しく、今や前の冬の2倍近くの値段まで上がっている。これほどまでに値段が高ければ当然節約を余儀なくされ、いつもやってるよう な、あのむかつくおっさんの家に灯油をまいて火を放つなどといった遊びはできない。
それどころか、暖房に使う分もケチらなくてはいけなくなり、今では冷蔵庫のほうがまだ温かいのではないか、と思うほど寒くなっているのだ。
「おまえ、牛乳はどこだい?」
「ほら、そこ足元にいっぱいならんでるでしょう?」
「ああ、あった。しかし、ここは狭いな・・・やっぱり、家族で冷蔵庫に入るのは無理があったか・・・おっ、ブルーチーズ発見。パクッ」
「あなた、それはカビたバターよ。」

 おそらく、あの宮沢賢治であっても、これほどまでに灯油が高ければ、”雨ニモマケズ”は書けなかったのではないだろうか?
”雨ニモマケズ 風ニモマケズ 冬ノ寒サニハチョット勝テネエナ 灯油ガネエンダモン”

 だが、人が冷凍食品の気持ちが分かるほど凍えている一方で、それを利用して4兆も儲けた会社があるのだ。これで怒りがおさまるわけがない。
エクソン・モービルだけでない。ロイヤルダッチシェルなどといったセブンシスターズの面々も似たり寄ったりで、どこもかしこも最高益をあげ、うはうは言っ ているのだ。
ちなみにセブンシスターズとは、石油業界の大手企業7社をまとめて呼ぶ必要に駆られたとき(主に夕食の準備が整えた時 例「セブンシスターズ!ご飯ができ たわよ!」)に用いる総称で、エクソン・モービルとロイヤルダッチシェルの他は、メグ、ジョー、ベス、エイミーそれと赤毛のアンですね。

 彼らはいったい、寒さに震える民衆をどう思ってるのだろうか!?彼らには人間の心がないのだろうか!?それとも、実はこの問題の裏には、悪の帝王がい て、人類征服を虎視眈々とねらっているのだろうか!?
「ふっふっふ!愚民どもが!寒さに苦しむがよい!灯油が買えずお前らは凍死するのだ!ハッハッハ!しかし、ここも寒いな・・・」
「陛下!大変です!灯油が高すぎて買えません!」

 もちろん、悪の帝王は言いすぎだが、それでも、奴らのやってる事は、ほとんど変わりがないのではないか!人を苦しめて金儲けとは・・・
石油企業許すまじ!打倒せよ!セブンシスターズ!奴らの首を駆り落とせ!(フランス国歌より引用)

著者から:
今回のコラムは少し口調が強かったが許してもらいたい。だって、寒すぎて大声でも出さないとやってけないんですよ。灯油ガネエンダモン。

2006.02.13

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