社会風刺ユーモアコラム〜ハブの卵〜

コラム☆偽装追求国会の熱すぎる冬☆

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 今、国会が熱い!!与野党の激しい攻防は、熱風をわきおこし、今や国会内部の気温は セ氏2000度を越えるまでになったらしいのだ。
当然の事ながら、国会議事堂は全焼。国会議員のすべてが命を落とすという歴史に残る大惨事となった。しかし、政治家が皆死んだことで、日本を深く覆ってい た暗雲は消え去り、国は末代まで栄えたそうだ。めでたし、めでたし。

ハハハ、もちろん嘘ですよ。ちょっと、そうなったらいいな〜と思っただけです。残念ながら政治家はまだまだ健在です。なかなか死なないところを見ると、彼 らはきっと不死身の肉体を持っているのでしょう。

 しかしながら、今国会は本当に熱い!!!その熱さや、多くの人間が、この寒すぎる冬を健康な肉体ですごすために国会で避寒したといわれるほどなのだ。
”寒い寒すぎる!そう思ったあなたに贈る、この冬一番の暖かさ。国会に行こう!もう寒さに悩まされない。”(国会観光局PRビデオより引用)
なぜ、そんなに熱いかといえば、もちろん、電気代を気にせずにヒーターをつけまくれるからですね。

 さて、その寒さに悩まされない国会議員達が今やってることといえば、あいつぐ偽装問題の追及である。
 ご存知のように、昨年末から年頭にかけて、様々な偽装事件が次から次へと明るみになった。マンションの耐震強度偽装にはじまり、アメリカ産牛肉問題、ラ イブドアの粉飾決算、はたまた古賀誠一郎議員の学歴詐称など、まさに一大偽装時代なのだ。
「なぜ、こんなに偽装ばかりでてくるのだ。」多くの人がそう考えたとき、民主党が、立ち上がった。誰もが、またお決まりの途中退室による審議拒否だと思っ たが、今回ばかりは、そうではなかった。なんと、彼らは、自民党を追求するために立ち上がったのだ。
 民主党は、普段存在感が薄いので、ここぞとばかりに、強気に攻めた。これら蛆虫のごとくわいてでてくる偽装の数々を自民党政治の帰結だと断罪し、まとめ て偽装3点セットとしてマクドナルドで売り出したのだ。

店員「いらっしゃいませ。こんにちは〜。」
客 「えーと、どれにしようかな・・・」
店員「偽装3点セットはいかがでしょうか?アメリカ牛肉入りハンバーガーにライブド
   ア株、それにヒューザーのマンション301号室がついて300円となっております。」
客 「じゃあ、それを・・・」
店員「(奥に向かって)偽装1で〜す。」

 だが、今となっては、それも遠い過去のように思える。疑惑を追求していたはずの、民主党が、あの堀江→武部送金メール事件で自爆し(イラクでではな い)、逆に自民党に”メールの偽装だ!”と攻められる側にまわってしまったのだ。
ここからは、まさに、みぐるしいガキのケンカ。そっちが偽装した、こっちが偽装した、野村沙知代が偽装した、浅香光代が偽装したと泥の擦り付け合いである

 しかし、どっちが悪いとかいう、シューマイにグリーンピースは必要か?と同程度の不毛の論議に、かけがえのない短い人生の貴重な時間を使う前に、ここら で原点にたち返ってみよう。
「ウガー!!」
いや、別に原始人に戻る必要はないんですよ。新人類で結構ですから。

 さて、原点に返って、はじめに見えてくるものといえば、偽装を追及している彼らが、国会議員であるという事実である。すると必然的に次の疑問が浮かんで くるのだ。すなわち、国会議員というのは偽装をするものではないのだろうか、というものですね。

 彼らの偽装の例を一つ挙げよう。ここに、世間ではあまり語られていないが、国会内でかなり騒がれている偽装事件がある。それが国会議員による頭髪量偽装 問題。我々の言葉にすれば、いわゆるハゲ隠しですね。

 この問題は、国会議員は年の割りに頭髪量が多すぎる、あれは偽装してるのではないか?という、和田勉氏の素朴な疑問から始まった。そして、それに共感す る多くの人々が、国会議員の頭を熱心に眺めた結果、多くの議員が顔を赤らめたため、「あっ、やっぱりアデランス(もしくはスヴェンソン)なんだ。」という ことになったのである。

 もし、これが本当ならえらいことである。なにしろ、ほとんどの国会議員が、ウグイス嬢による米軍航空機と同程度の騒音と、自身の顔だけで選挙戦を戦って いる。もし、この顔が偽装によって塗り固められた産物だということが発覚すれば、嘘によって選挙に勝ったも同然ということになってしまう。これは、有権者 に対する最大限の侮辱であるし、しかも、そういう議員が沢山いるとなれば、国会の正当性をも覆しかねない。この問題はまさにこの国の行く末を決める重大な 問題なのだ。

 当然の事ながら、この問題の行く末には大きな注目が集まったが、他の問題と同じように、小泉の「ひっじょ〜に大事なことですからね。国民的議論を尽くし て、慎重に、慎重に結論を出していただきたい。」という、エンドレステープと間違えかねないお馴染みの一言で、一般人が入り込めない、有識者による国会議 員頭髪過多申告問題特別調査委員会という北京語の名前を持つ会議に付託された。

 そして、そこでは、プロのハゲの方々が疑惑の真贋を見極めるべく熱い議論を交わしているというわけだ。
(以下議事録から抜粋)
ハゲA 「・・・よって国会議員が頭髪を偽装しているのは明らかです!ハゲのハゲによるハゲのための政府を実現するためにも、早急に、事実の公表と謝罪を 勧告すべきではないでしょうか?」
ハゲB 「しかし、そうなった場合。かつら業界の経営難は避けられず、わが国の経済的損失は20兆円にも上ると予想されますよ。それでも、あなたは国会議 員をハゲにしたいんですか?」
ハゲC 「君はこの期に及んで金の事など考えているのか?!大切なのは倫理で、金は2の次だ。国会議員がモラルを欠いたら国はお終いだぞ!」
坂口元厚生労働大臣 「ま〜、そうですよね〜。」
ハゲD 「奇麗事では国は救えない!時には黙認も必要だ!」
ハゲE 「黙れ!このハゲ!」
ハゲD 「俺の髪は293本ある!129本のお前にハゲと呼ばれる筋合いはない!」
ロンゲA 「まあ、まあ。みなさん、そんな少ない髪の事で興奮しないで。」
ハゲC 「なんだと、この薄汚いヒッピーが!ちょっと髪があるからって、これ見よがしに自慢しやがって・・・」
ロンゲA 「私は、別にそんなつもりでいったんじゃ・・・(その時、運命のいたずらで一陣の風が部屋を突き抜ける。)しまった!!!かつらが飛ん だ!!!」
坂口元厚生労働大臣 「あ、あんた・・・ハゲだったのか!?」
ロンゲAあらためハゲF 「ちくしょう!せっかく、だませてたのに・・・」
その他 「偽装だ偽装だ!」

 おそらく、このペースで会議が進めば、結論がでるのは、麻原裁判と同じく200年後になりそうだ。だが、それでも、この委員会の報告は国会議員にとっ て、頭の薄い・・・いや、痛い結果になりそうだ。なにしろ、ある信頼に足る情報筋によると(命に関わる問題として匿名を希望)実に国会議員の70%近く が、自身の頭髪量を実際より多く発表しているらしいのだ。これが裏づけされれば、すぐにでも国会議員は頭を後ろ指差されるようになるだろう。
 おまけに、この情報源がたとえ永田議員の情報源と同じだったとしても、国会議員には、頭髪過多申告偽装問題の他に、顔面厚化粧偽装問題やら、股間きゅう り隠し偽装問題など偽装疑惑がやまほどある。つまり、彼らが偽装の追及から逃れるのはほとんど不可能なのだ。

 この結果の意味するところは、国会で熱心に偽装を追求している彼らの多くが、大なり小なり偽装しているということだ。それなのに、彼らは、いかにも”私 は嘘をつきません!”みたいな顔つきで、他人のモラルの低下を嘆いてみせる。
これこそが、最近噴出した偽装問題の底辺に横たわる最大の問題なのではないだろうか?
やっぱり、一回燃えたほうがいいんじゃない?国会議事堂。


2006.03.04
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