社会風刺ユーモアコラム〜ハブの卵〜

コラム☆スーパーヒーロー見参!☆

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 ぼくが、まだヒヨコのオスとメスの区別もつかないくらい幼かった頃。ぼくの心には常 にスーパーヒーロー達が住んでいた。(トイレ共同で月5千円。平成不 況の真っ只中とはいえ破格の値段だった。)顔ぶれは実に多彩で、アンパン、こうもり、バッタ、筋肉、筋肉の塊のシュワちゃん、サイボークのシュワちゃん、 消防士のシュワちゃん、宇宙人と戦うシュワちゃん等々。

 彼らは、皆、その強靭な肉体や、類まれな勇気を駆使して悪に立ち向かい、地球を、そして、なによりアメリカを救ってきた。そのサナダ虫にも理解できそう な単純明快さは、幼き僕を虜にしたものだった。
 もちろん、当時のぼくに、テレビと現実の区別などつくはずもなく、ぼくは、憧れの存在であるスーパーヒーローたちが実在するものと信じていた。彼らは、 いつも見えないところで、ぼくを見守っており、ぼくが悪者にやられそうになったら、いよいよという、一秒前に持ち前のご都合主義を駆使して、どこからとも なく出現し、ぼくを救ってくれるはずだったのだ。
 そのスーパーヒーローの存在は、小さなぼくを勇気付け、何をも恐れぬ少年にしてくれていた。だからこそ、暴力団員にタックルをかますという離れ業もいと も簡単に実行に移すことができたわけですね。

 だが、ぼくが、10歳のときに現実のピンチで助けてくれるのは、アイフルとかプロミスとかアコム、はたまたレイク(いずれも年利20%強)だけだという 事を、身をもって知り、すべてのヒーローは、ぼくの心から立ち退いていった。そう、ヒーローなんてものはいなかったのだ。

 それ以降、ぼくは、心の拠り所をなくしてしまった。勇気も希望もなくし、何をも恐れる少年になってしまったのだ。
 そう、正義の味方をいないものとしてしまうと、世界とは・・・
ガタガタガタッ
おわっ!!何だ、今のは!?ヒ〜〜!!・・・ふー、なんだコオロギか・・・

閑話休題

 正義の味方をいないものとしてしまうと、世界とは、なんと残酷なものだと気がつかされる。弱者がどんなピンチに陥っても、正義の味方は現れない。そし て、悪者は石油を手に入れてガッポガッポ。慈悲もなにもあったもんじゃない。
 ぼくは、このふざけた世界から逃れるため、富良野に逃げることも考えたほどだった。それほど、正義のいない世の中はひどいかったのだ。

 だが、ぼくは最近、考えを改めた。正義の味方信仰を捨てていたのは間違いだった事に気がついたのだ。そう、正義の味方は実在したのだ。
「その通り!正義の味方はいます!」
「あなたは、宗教家のエレファント・ムネノリさん。」
「いかにも、私はエレファント・ムネノリです。さあ、正義の味方をあがむのです。そうすれば、世界平和はやってきます。さあさあ、私に、金を捧げるので す!正義の味方は私です。」

 やれやれ、危うく新興宗教に引っかかるところだった。被害額が10万ですんだのは、救いですね。
 さて、ぼくの心にスーパーヒーローが戻ってきた理由は、他ならぬ、スーパーヒーローを――苦しむ人々を救う正真正銘の正義の味方を――この目で見たから だ。
そう、繰り返すようだが、正義の味方は実在したのだ。


 それは、満月が燦燦と輝くある晩の事。ある男が、人生最大の危機に直面していた。男の名は、安部晋三。ミサイルシンちゃんのニックネームで知られた、い わずと知れた時の官房長官だ。彼は、その晩、眠れぬ夜を過ごしていた。
 この夜が明ければ、耐震強度偽装で世間を騒がしたヒューザーの小島社長の証人喚問が始まる。小島はその席で、晋三の秘書との癒着を告白する予定になって いたのだ。
「もし、そうなったら・・・」安部は考えた。「きっと筑紫哲也がうるさく言ってくんだろうな・・・やだな・・・」彼は、苦悩のあまり秘書に自殺させること まで考えたという。
だが、小島がしゃべり、晋三が追求されんとする、まさにそのとき、彼の前に正義の味方が現れた。
「あっ!あれはなんだ!?鳥だ!飛行機だ!いや、ジャスティスマンだ!!」
ジャジャーン
ジャスティスマン「私は、正義の星ジャスティスからやってきた、ジャスティスマン!!晋三よ。助けに来たぞ!!」
野党議員「うっ・・・官房長官の秘書は・・・」
ジャスティスマン「皆のもの、見たまえ!!ライブドアを捜索したぞ!!!」
 これにより、安部は間一髪救われた。野党もメディアもワイドショー好きのおばちゃんも皆、ライブドア関連ニュースに目を奪われ、安部の秘書とヒューザー の癒着の事など忘れてしまったのだ。

 話はこれで終わりじゃない。ぼくは、その後にもう一回、正義の味方を見つけた。一度なら偶然で片付けられるが、二度も続くと、存在を疑うわけにはいかな くなる。


 こっちの話も、満月が輝く夜の話。ある部屋に、度重なる敵の攻撃に苦しむ人々が集まっていた。彼らは、自民党国会議員。この時は、例の4点セット追求の 真っ只中で、ちょうど彼らは民主党の激しい攻撃にさらされていた。
議員A「もう限界です!我々はいつまで奴らの攻撃にさらされなきゃいけないんですか?」
議員B「本当ですよ!お陰で内閣支持率も下降気味です。このままじゃ、政権交代だ!」
だが、政権交代が実現するかと思われたその時、彼らの前に正義の味方が現れた。
「あっ!あれはなんだ!?鳥だ!飛行機だ!いや、ジャスティスマンだ!!」
ジャジャーン
ジャスティスマン「私は、正義の星ジャスティスからやってきた、ジャスティスマン!!自民党よ。助けに来たぞ!!」
野党議員「うっ・・・偽装4点セットは・・・」
ジャスティスマン「皆のもの見たまえ!!偽メールだ!!」
これによって、自民党は間一髪救われた。野党もメディアもワイドショー好きのおばちゃんも皆、偽メールに目を奪われ、4点セットなんて忘却のかなたへ吹っ 飛んでいったのだ。その後の、情勢は皆ご存知のとおりだ。自民党を襲っていた、数々の危機は消えうせ、総裁も、幹事長も、官房長官も、その他多くのナメク ジみたいな方々も、全員が全員、再び、偉そうに椅子にふんぞり返れるようになったのだ。
勇気と肉体とあら捜しを駆使して、窮地に立たされた人間を救う。これを、スーパーヒーローと呼ばずしてなんと呼べばいいのだろうか?

 正義の味方の存在が確認できた今、自民党にどんな危機が訪れても、そう、選挙に負けそうなとき、大企業との癒着が問題になりそうなとき、イラク戦争の大 儀が揺らいだとき、憲法改正が実現できなさそうになったとき、そんな時は、かならずスーパーヒーローが現れ、何らかの手を使って自民党を助けてくれるはず だ。(とくに、選挙前には頻繁に)
 この世に、(自民党にとっての)悪がある限り、彼らは(自民党にとっての)正義を実現すべく、活動し続ける。負けるな、ジャスティスマン!

しかし、疑問が一つだけある。
どうして、正義の味方は、自民党しか救ってくれないんだ?
まさか、自作自演じゃないよね?

2006.03.10
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