社会風刺ユーモアコラム〜ハブの卵〜

コラム ☆広場の中心で政府のバカと叫ぶ☆

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「その国の自由度が知りたければ、その国の広場に行って、服をすべて脱いでみよ。さす れば、警察にしょっ引かれるだろう。せいぜい、くさい飯でも食ってなさい。」
いや、これは冗談。本当はこうだ。
「・・・広場に行って、好きなことを叫びなさい。あなたが、何の恐怖も感じずに叫ぶことができれば、その国は自由な国だ。」
 このアリの観察なみに退屈なセリフは、昔どっかのユダヤ人が語ったもので、言論の自由度を測定する方法として、世界中のいたるところで用いられてる。
そして、この測定法の最大の顧客は、言うまでもなく、アメリカ政府であり、現在彼らの行なっている、世界民主化推進運動週間(スローガンは"暴走は あな たの命を おびやかす")だ。
 その運動の目的は非常に単純で、何でも好きなことを言える広場を世界中に広めるということだ。
 そんなことになったら、まことにありがたいことですね。もうしばらくすれば、世界中のいたるところで「ハイル・ヒトラー!」といえる日が来るのだ。待ち 遠しいったらありゃしない。

 だが、その自由を広めようとしてるアメリカで信じられない事件が起きた。結構前の話なので憶えてる人がいるのかどうか微妙なところだが、ホワイトハウス 前で中国人が拘束された話だ。
認知症が進んで忘れてしまった方のために説明すると、事件のいきさつは以下の通りだ。

 ある日の、中国人らしき男が、黒ずくめの格好でスーツケースを抱え、ホワイトハウス前の広場に現れた。そして、大胆不敵にもその場でこう叫んだ。
「大統領に会わせろ!」

 その場に居合わせた人々の間に緊張が走った。何しろ、スーツケースをもって立っている男が大統領に会わせろというのだ。普通の人間だったら、相当不信感 を募らせ、自爆テロかとかなんとか思うことだろう。だが、そこはさすが自由の国アメリカ。見ていた人たちは、自由を愛する国民らしくおまわりさんを呼ん だ。

 警察の行動は、実に立派なものだった。つまり3秒間の職務質問をした後、タックルをかましたのだ。そして、周りにいた人々は、ニューイングランド・ペイ トリオッツがタッチダウンを決めたかのごとく歓喜の奇声を上げていた。きっと、ビールでもあればいいのにと思っていたことでしょう。

 事件は、これで一件落着となった。そして、あの中国人のその後は誰も知らない・・・(おそらく、キューバのグアンタナモ基地に放り込まれているのだろう が)

 さて、この事件は、ぼくらに大きな疑問を投げかけた。アメリカの広場では好きなことを言えるはずなのに、大統領に会いたいといっただけで、捕まってしま うのだ。これのどこが自由の・・・
「ちょっと、署まで来てもらおうか?」
「なんですか、あなたたちは?ぼくはただ言論の自由について・・・」
「うるさい!!」(飛びかかる)
「イーーーーーーイェーーーーー!!」

閑話休題

 この中国人が、結局のところ何をしたかったのか。中国人が消えてしまった今となっては、知る由もない。(一説には、ブッシュと太極拳をやりたかったらし い。)
だが、彼は教訓を授けてくれた。もし、彼がいなければ、今頃別の誰かがアメリカの広場で「ブッシュの××××!!(×には好きな言葉をお入れください)」 と叫んで、グアンタナモ基地に収監されることだっただろう。
その意味で、この名の知れぬイタズラ好きの中国人には感謝しなければならない。
 ぼくは、その意味を込めて、彼がグアンタナモ基地から出てきしだい、太極拳に誘うつもりである。あと、10年後かな・・・待ち遠しいったらありゃしな い。

2005.06.17
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