社会風刺ユーモアコラム〜ハブの卵〜

コラム☆民主主義ハリケーンに敗れる☆

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 世界一の超大国を自任し、自国の野球トーナメントをワールドシリーズ、自国の野球 チャンピオンをワールドチャンピオンと呼んでしまう、いかれた人間の集まりである、アメリカ合衆国。(アメリカというのは、ネイティブアメリカンの言葉 で、”いかれぽんち”のスラング)
 つい1ヶ月ほど前、そのアメリカ合衆国の南のほうの、ミシシッピ州、ルイジアナ・ママ州やニューオリンズ州等を、信じられない出来事が襲った。
 そう、全長56メートルのシュワルツネッガー・カルフォルニア州知事がメキシコ湾から上陸し、自慢の肉体美を見せびらかしていったんですね。
このボディービルディングで、堤防は決壊し(いったいどんな激しい動きをしたというのだ!)市内に水が流れ込み、ボディビルを観賞していた人たちを中心に 多くの人間が亡くなってしまった。
(ぼくの記憶違いで、上陸したのは、シュワルツネッガーじゃなくて、ハリケーンだったかも知れないが、なんであれ、似たようなもんでしょう。)

 今回の悲劇で、まず驚かされたのは、その堤防のもろさだ。被害にあった界隈に築かれていた堤防は、主に幼稚園児によって築かれており、建材はほとんどが 砂という、お粗末なものだった。そんな堤防が、押し寄せる水に耐えられるわけなく、即座に決壊してしまったという。その結果何名もの命が失われた。

 イラク戦争に何億ドルもの大金を注ぎ込んでるというのに、堤防も満足に造れないというのはいったいどういうことなのか?この辺は謎だらけなのだが、ひと まずおいて、先へ進もう。

 この堤防の楽天の補強ばりのお粗末さもさることながら、それ以上に驚かされたのは、その後起こった混乱だ。
 壊滅した街が、ほぼ無政府状態になり、殺人、強盗、略奪、レイプ、収賄、立ちしょんべんというありとあらゆる犯罪が横行したのだ。一説には、警官までも が犯罪に加担していたという話だ。当然ここでも、何名かの命が失われた。

 それと忘れてはいけないのが、避難所の悲惨さだ。あまりにひどいので現地ではもじって悲惨所と呼ばれているらしい。
具体的には、ジャズの街として名高い、ルイジアナ州ニューオリンズの例。この街も他の街と同じように、金持ちが我先に街から逃げ出したため、逃げる手段が キックボードしかない貧乏人だけがとり残された。
 苦しむ彼らのために、政府が用意したの避難所は、おそらく何億ドルかかけて作り上げたスーパードームというスタジアムだった。このスタジアムは、普段 68000人の観客と100人前後の筋肉肥大の男達が収容できるほどでかいため、避難所には最適と考えたようなのだ。
 だが、このドーム。照明は消えてまっくらで、冷房はつかずサウナのようで、下水も使えずそこらじゅう排泄物だらけだった。そこはまさに、この世の地獄の ようだったという。そんなところに耐えられるわけもなく、ここでも何名かの命が失われた。

 強調するが、これは、いわゆる後進地域(某国とかフリントストーン)の話ではない。
世界一の超大国にしてGNPは世界一。さらに自称民主主義の伝道師にして自由主義社会の領主である、アメリカ合衆国の話なのだ。
 彼らほどの力と金があれば、もっときちんとした対処も予防もできたはずだ。それを怠ったがために、こういう悲劇が起きた。誰かが言ったように、「最初の 1週間は天災だったが、その後の被害は人災だった。」のだ。
 つまり、シュワルツネッガーが3番のポーズを決めるのは止められなかっただろうが、その後悲劇の多くは政府によってきちんとした対処が取れてれば止めら れた可能性が高いのだ。

 いくら裕福であり、軍事力に優れ、アメフトが強かったとしても、その使い方を誤れば、弱者すら守れない・・・今回の事件は、何か大切なことを教えてくれ たような気がする。

そう、いうまでもなく、シュワルツネッガーの上腕二頭筋の素晴らしさですね。

2005.09.30


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