人類が、まだ男女雇用機会均等法を持っていなかった紀元前2世紀ごろの事。今のギリ
シャの辺りにあった都市国家、パナシナイコスのでミッドフィルダーをしていたパナギオティス・ソンナヤツイネッスという、舌をかみそうな名前を持つ男は、
人類の発展ために一つの格言を後世に残した。
以下は、それである。
「女子サッカーの選手は、もっと体のラインがはっきり分かるような服を着るべきだ。」
間違えた。これは、現職の国際サッカー連盟会長が言った言葉だった。いけねえ、いけねえ。
彼が言ったのは、こちらです。
「ある人間にとっての都合の悪い出来事は、誰もが忘れてくれず、死ぬまで彼についてまわる。だが、ある政府にとっての都合の悪い出来事は、3分経てば誰も
が忘れてくれる。」
最近、この架空の人物の語った言葉に、そっくりそのまま当てはまる出来事に思い当たった。本来なら誰も忘れてはいけないはずなのに、なぜかすっかり忘れ
去られている問題が、我々の身近に転がっているのだ。
その問題とは、アメリカ産牛肉の輸入再開問題。4点セットが騒がれた一時期の盛り上がりもむなしく、今ではまったく話題にもならない。ソンナヤツイ
ネッ・・・イテッ・・・の言った通り、政府に都合の悪い事が、国民に忘れ去られているのだ。
このまま進めば、我々の知らぬ間に、アメリカの牛肉が日本にやってきて、我々の食卓に、我々の胃袋に、そして(食事中だったら失礼)我々のトイレにあふ
れかえるのは、日を見るより明らかだ。だからこそ、取り返しがつかなくなる前に、この問題についてもう一度深く考え、対策を練らなければならないのだ。
では、そのための第一歩として、すでに誰もが知ってると思うが、この問題がどういう問題なのかを再確認しておきましょう。こうする事で、問題の原点に返
ると共に、文字数を埋めるという非常に重要な効果があるのだ。
この問題は、BSEいわゆる狂牛病という病気がこの世に出現した事を発端とする。この病気は20世紀の終わりまで存在すらしていなかったが、牛に牛の骨
から作った飼料を食べさせるという、宇宙の法則を完全に無視した飼育方法のお陰で、ついにこの世に降臨してしまったのだ。
この狂牛病というのは、牛の脳がスポンジ状になる病気で、ひとたび、牛がこの病気にかかると、某動物園の目玉としてテレビでおなじみになった歩行困難状
態に陥ってしまい、最終的に死に至るといわれている。おまけに、その牛を肉骨粉にして牛に食べさせるという行為を通じて、他の牛にも伝染する事が確認され
ており、実際すさまじい勢いで感染が拡大していくのだ。
また、ここからが恐ろしい話なのだが、この病気は、人間にもうつる病気なのだ。人間が、牛と同じように狂牛病の牛の特定部位を食べると、病原菌が蓄積さ
れ、数年後にクロイツフェルト=ヤコブ病にかかり、ベジタリアンの「肉なんか食べるからよ。」という冷たい目にさらされ、失意のまま自殺してしまうとい
う、悲劇的な結果を招くのだ。
しかし、人間にうつるとは言っても、しかるべき対処法を牛に施せば、人間へうつる事はない。その方法というのは、倫理観という観点からみれば地球上のど
の生物よりも劣る人類にとっては、いつも行なってる事とほとんど変わらないので、大して難しい方法ではない。お察しの通り、ぶち殺して食べないという方法
ですね。
日本やヨーロッパでは、狂牛病の検査が厳しく、かつ、感染が確認された牛を殺すのも非常に迅速に行なわれているのだが、(と政府は言ってるが、彼らの仕
事が嘘をつくことという点を考慮すればどこまで信用していいものか・・・)これができない国もある。しかも、その国が、関係のない動物を殺す事にかけては
プロ級の腕前をもつアメリカ合衆国なのだから、いっそう驚きなのだ。
アメリカでは、日本などが2種類の検査を行なうのに比べ、1つしか行なわず、しかも気が向いたときにその辺にいる牛を検査するだけですませているとい
う。しかも、狂牛病と確認された牛のスポンジ脳を間違って(と彼らは言ってるが、食肉加工業者の仕事が嘘をつくことという点を考慮すればどこまで信用して
いいものか・・・)ひき肉に入れてしまうというずさんぶりなのだ。
にも、かかわらず、そんな牛を食べろと迫ってきてるわけですね。
こんな牛を食べようというのは、とても正気の沙汰とは思えないが、しかし、なぜアメリカはここまで狂牛病に甘いのだろうか?
ぼくは、このアメリカが対策に本腰を入れない理由をずっと探っていた。食肉業者の圧力のためか?それとも牛肉を使って日本を制服するためか?はたまた、
ただマヌケなだけなのか?しかし、どの理由も決定打に欠け、その理由を説明するにいたらなかった。
さて、ここで話は大きく跳ぶが(7.31mで大会新記録)なぜ、アンパンマンは、いつもひもじい子どもに自分の顔を食べさせてあげるのか?どうして、毎
回ひもじい子どもに出会うと分かってるのに、顔以外の食べ物を持ち歩かないのだろうか?そしてなぜ、あんなにコントロールのいいジャムおじさんにはプロ野
球からオファーが来ないのだろうか?すべて、深い謎である。
もちろん冗談ですよ。そうではなく、ぼくは、大の陰謀好きであるといいたかったのだ。ぼくは、常日頃、なにか怪しいものを見つけるとすぐに陰謀説を振り
回している。実際、地上放送デジタル化は大手家電メーカーの陰謀、ロンドンの自爆テロはスコットランドの独立を唱えるネッシーの陰謀、このコラムの読者が
増えないのは金正日の陰謀、ジャムおじさんが楽天イーグルスに入団しないのは、ライブドアの陰謀だと思ってるほどだ。
この陰謀史観を使うと、アメリカの狂牛病に対する姿勢への答えも簡単に見つかる事に気がついた。というのは、どういうことか?つまり、アメリカが狂牛病
対策に本腰を入れないのは、実はアメリカ政府の陰謀なのだ。
そして、その理由はといえば、脳がスポンジ状になった牛を始末しなければいけないと義務付けた場合、脳がスポンジのようにスカスカで、しかも時折牛にしか
見えなくなる現職大統領を処分せざるをえなくなる可能性があるからだ。これこそが、この問題の答えではなかろうか?
ジョハンズ農務長官「大統領大変です!海外からの圧力で、狂牛病の全頭検査を行なわざるを得なくなりました!おまけに、検査はEUと日本からの専門家がす
るそうです。」
ブッシュ「なんだと!?そんな条件、俺が飲むとでも思ってんのか!?今すぐ反故にしちまえ!」
ジョハンズ「しかし、彼らは、もしアメリカがこの条件を飲まないのなら、すぐにイラクから撤退して、おまけに保有するアメリカ国債を全部売り払うとまで
言ってます。」
ブッシュ「ならば、しかたがない・・・残念ながら・・・合意するしかなかろう・・・」
数日後
検査官「こいつは、シロだな。出荷していいよ。」
牛「モー」
検査官「次は・・・おいおい、こりゃひどい。かなり症状が進んでるから、すぐ処分だ。」
ブッシュ「モー」
もし、本当にブッシュを守るために、狂牛病に甘く、それゆえ我々に押し付けてくるのであれば、我々は、よりいっそう強い姿勢で、この問題に対処すべきだ
と思う。なんといっても、もし、アメリカに我々の条件を飲ますことができれば、我々の市場から危ない肉を締め出すほかに、世界を救う事になるかもしれない
のだから。
その日のために今一度声を上げよう。アメリカ産牛肉輸入反対!!
2006.5.19
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