社会風刺ユーモアコラム〜ハブの卵〜

コラム☆小泉一家の夏休み☆

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 ただいま世間は夏真っ盛りである。
太陽が燦燦と照り続け、照り焼きチキンを2、3枚焼きあげる。それが夏だ。
セミとラジオ体操が、夏だけというわずかな命を謳歌せんとけたたましく泣き喚く。それも夏。
 親父たちが、ここは南極かといわんばかりにクーラーをガンガン効かせた部屋で高校野球を観戦し、「この学校のチアガールはかわいいな。」なんていってい る。これも夏だ。
 露出度の高い水着を着た女達と、その女達の水着姿を拝もうとする男達が、全国の海岸線を北朝鮮の工作員が上陸する余地もないほど埋め尽くす。いうまでも なくこれも夏だ。
 浴衣を着た女達と、その女達の浴衣姿を拝もうとする男達がこぞって花火を見に行き、歩道橋でドミノ倒し事故がおきて、警察が「茶髪の若者が暴れたため事 故がおきた。」と発表する。それも夏だ。
 ぼくの体からネス湖に匹敵するほどの水分が失われて、すべての思考感覚と運動能力が失われる。これも夏だ。
そして、夏休みがやってくる。それが夏だ。

 夏を構成する要素は数多くあれども、とりわけこの夏休みの存在は大きい。夏休みがなければ、夏などなきに等しいと言ってもまったく過言ではないだろう。
実はそうなっているのにはきちんとした理由がある。

 その昔、まだ日本に夏休みがなかったころの話。そのころの日本には、夏こそあったがあまり暑く感じず、かなりすごしやすかった。
だが、当時日本を統治していた、田中大王はその事に大変頭を悩ましていた。
「ぜんぜん暑くなくて、これじゃあ今が夏なのかも分からないじゃないか?このままじゃ、近い将来夏などなくなってしまうぞ。そしたら、秋と春の境界線が消 えて、季節が冬と他の一つだけになってしまう。」
 彼は、それから夏を取り戻すための方策を考え出した。たとえば夏の間だけ日本中をヒーターで暖めるといったものや、夏を相対的に暑くするため他の季節を クーラーで冷やし続ける等といった案があったが、環境保護団体の反対や二酸化炭素の削減を義務付ける国際的合意に抵触する等の理由で取りやめられた。
 こうして、何の手立てもうてずに時間だけがすぎていったが、10年後、田中大王はこういう結論を出した。
「夏休みを作って、夏の間だけ学校を休みにしよう。子どもが朝から晩まではしゃぎまわるから、きっとうっとうしくなって暑くなるぞ。」
こうして、夏休みが出来上がり、夏は暑さを取り戻したのだ。

 さて、そんな夏休みだが、今ぼくには、ものすごく気になってる事がある。それは、あの総理大臣家の夏休みがどんなだったのかということだ。まあ、その辺 はプライバシーの問題があるので立ち入る事はできないが、おそらく、こんな感じではなかったのだろうか。

 それは、あの売れない俳優がまだ小さかったころの話。売れない俳優は夏休みで学校が休みになったので、父親に海に行きたい旨を伝えた。
「パパ。夏休みだし、海に行こうよ。」
しかし、父親はクビを縦に振らなかった。
「いや、海には行かない!私達は、美術館に行かねばならないのだ。」
「えー、美術館なんてゲイっぽいよ。海がいいよ。」
「だめだ。美術館に行くのは私の活動の本丸だ。これをしなくて一体何をするというんだ。」
「やだやだ。海がいいよ〜。」
「いいか。ガリレオ・ガリレイは地動説を唱えて有罪になったとき、”それでも地球は動いている!”といった。それと同じ事だ。それでも美術館に行かねばな らない。」
「ねえ、ママはどう?海に行きたいよね?」売れない俳優は母親に助け舟を出した。
「そうね。この子もこう言ってる事だし、海に行ってあげましょうよ。」
「やったあ。これで2対1だね。パパこれで海に行くでしょう?」
「非常に残念だね。」父親がそうつぶやいたとき、ドアが開き、一人の男が入ってきた。誰であろう。河野洋平衆院議長だ。彼は一枚の紙を携えており、開口一 番それを読み上げた。
「家族関係を解散する。」

2005.08.12
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