社会風刺ユーモアコラム〜ハブの卵〜

コラム☆図解雑学・拉致テロへの対処法☆

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 ハヤリという言葉がある。これは、マスコミにもてはやされた服やらなんかを、皆がま るで果物を洗うことを覚えた猿のように、こぞって使うようになる超常現象のことをいう。しかし、この言葉は、モテるために流行を追い、人と同じ格好をし、 人と同じものを着、人と同じものを身に付け、それにもかかわらず、なぜか(なぜか!!)女にモテル若い男たちだけに、使う言葉ではない。(彼らに嫉妬して るわけではないですからね。)
 老若男女とわず、それぞれの世界にはそれぞれのハヤリがあり、そこでは様々なものが流行としてもてはやされているのだ。事実、年寄りの世界には、年寄り 向けに、ハヤリの入れ歯や、補聴器というものが実際に存在するそうだ。

爺さんA「おい、見ろよ。オレの補聴器!シーメンスの”い−700”だぜ。」
婆さん衆「わー、かっこいい!」
爺さんB「ワシの入れ歯は、最新流行型の”ろ−2い”だ。携帯型音楽プレーヤーが内蔵しとるんだぞ!」
婆さん衆「聴かせて。聴かせて。」
爺さんC「お前ら、まだまだ青いな。ワシの墓石は流行の”は−7600ミレミアムエディション”じゃ!!この石はストーンヘンジの石を削って作られてい て、しかも人生に迷ったときの自殺機能までついとるんじゃ!」
婆さん衆「きゃー、一緒に入りた〜い!」

閑話休題

 これでいろいろな場所に様々な流行があることが分かっていただいたと思うが、今話題になっているあの業界にもハヤリというものがある。まずはそれをご覧 いただこう。


○Theお昼のワイドショー○

さあ、島田紳助の”女性の殴り方入門”に続きましては、”流行ってるものに手を出せば安心!”のコーナーです。それでは、流行にうるさい剥藁流行さんに最 近のトレンドを教えてもらいましょう。剥藁さん?

 はい。それでは、今日は今話題のテロの流行を押えておきましょう。一昔前なら、テロといえば、ゲリラ戦や自爆テロが主流でしたが、今のトレンドは、ずば り”拉致”です。拉致がキテますね!
ですから、今、自爆テロなんかしたら、間違いなく「うわ〜、だせえ。あいつ、まだ自爆テロしてるぜ。」と言われるのがオチですね。もし、あなたがテロを考 えているのなら、拉致をオススメします。じゃなきゃ、モテませんよ!!


 さて、最新流行の拉致テロだが、やる方はともかくとして、拉致されたほうとしては、これがなかなか厄介である。自力での脱出は不可能にちかいので、もし 本当に被害者を助けたいならば(つまり、あなたの旦那なら話は別だという意味。)誰かが助けてやらなければならない。しかし、ここがテロリストの特殊性で あるのだが、国家間の戦争における捕虜とは違い、テロリスト相手では交渉ルートが無きに等しい。すると、被害者を助けるのに、別の方法を取らねばならない のだ。
 では、もし貴方の国や県、学校、はたまたボーリングを愛する会などが拉致テロの被害にあった時、いったい、あなたはどのような対策を講じればいいのだろ うか?
 今日は、身近にあるもので出来る、簡単で分かりやすい拉致テロへの対処法をお教えしよう。いつか必ず、あなたの役にたつときがくるはずだ。

 では、さっそく講義に入ろう。もし、あなたに関係する人が拉致テロにあった場合、あなたにできる、もっとも手軽な対処方法は、以下のようなものだ。

・拉致の被害者の家にいたずら電話をかけたり、不幸の手紙を送りつけたり、インターネットで中傷する。

ね、とっても簡単でしょう。しかし、この方法は日本国内でしか通用しないので、これ以上の叙述はさける。今日お教えしたいのは、国際的に通用する対処法 だ。
 今現在、世界でもっとも使われてるポピュラーな対処方法とは・・・おっ、ちょうどそれを行なっている国があるので、それを見ながら学ぶことにしましょ う。


ここは、中東の端っこにある、守銭奴・・・いや、ユダヤ人の聖地エルサレム。そこにあるイスラエルの首相府に一人の男が駆け込んできた。

政府関係者A「大変です!我が軍の兵士2名が、レバノンのテロ組織ヒズボラの攻撃で拉致されました!」
オルメルト首相「なんだと!くそー、許せんやつらだ。ヒズボラめ!!」
A「いかがなさいましょう?救出作戦を実行しますか?我が国の優秀な軍と諜報機関の力をもってすれば、一テロ組織に過ぎないヒズボラから、人質を奪還する ことなどたやすいはず・・・」
政府関係者B「いや、それよりレバノン政府に働きかけて、ヒズボラに人質を解放するよう交渉させましょう。レバノン政府は、ヒズボラの後ろのシリアと関係 が悪いから、きっと我々にも同情してくれるはずです。」
オルメルト「いや・・・ここはどちらも行なわない。
AとB「えっ!?」
オルメルト「レバノンに侵攻だ!!レバノン人をぶっ殺すぞ!!」

 こうして、イスラエル軍はレバノンを攻撃し始めた。ヒズボラの拠点はおろか、市民の生活にかかせない道路や発電所、さらには市民の家をも爆撃しだし、現 在までに300人以上がイスラエル軍の攻撃の犠牲になった。そしてそのうちの半数以上は、テロリストとは何の関係のない一般市民でであり、残りの半数はレ バノンに遊びに来ていたカナダ人だったという。ちなみに、ヒズボラの反撃によるイスラエルの死者は30人。
 なお、イスラエル軍は、攻撃の手を緩める気配を見せず、それどころか、イランやシリアも攻撃すると息巻いている。

ハハハ、驚きでしょう。テロ組織から人質を取り返すために、関係のない市民を殺戮するわけですね。なんとも見当違いで、惨たらしい話だが、しかし、これこ そ、今ハヤリの報復方法なのだ。
 引き金こそ拉致ではないが、アメリカはアフガン戦争でこれと同じ報復を行なったし、そもそもイスラエルはレバノンと別に、ガザ地区のほうでも、ほとんど 同じ事をしている。つまり、これほど酷い話がもっともポピュラーな報復方法なわけだ。その証拠に、国連も何も文句をつけていない(アメリカの圧力もあって のことだが)。

 さあ、これで拉致テロへの対処法をお分かりいただいただろう。もし誰かが拉致されたら、関係のない市民を殺戮し、戦争をあおり、気に入らない国を叩けば いいのだ。そうすれば、あなたは中東の支配権を握れるようになるはずだ。
それでは、以上のことを、頭に入れて、上手く日常生活に役立てて欲しい。願わくはあなたが、中東の領主になれますように・・・あれっ?拉致はどこにいった んだ!?


2006.07.26

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