社会風刺ユーモアコラム〜ハブの卵〜

コラム☆VIVA!!再チャレンジ!!☆

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 先日、都内某所の愛育病院の一室で今後の日本を左右する一大手術が行なわれた。それ こそ、日本中が、固唾を呑んで見守る中、優秀な医師が一同に集い、こ の一大手術が行われたのである。飛び散る血しぶき、飛び交う罵声、飛び舞うメス。
そして、医師たちの多大なる努力の結果、ついに安倍晋三総理大臣が誕生したのである。

オギャーオギャー
看護婦「元気な男の総理大臣ですよ。」
晋太郎「よくやったぞ!洋子!よく頑張ったな!」
晋 三「オギャー!パパ。早く教育基本法改正したいよ。」

このニュースに日本中が歓喜し、涙ぐむ宮内庁の役人もいたというから驚きである。

閑話休題

 こうして、晋三はめでたく首相になったわけだが、彼が総理大臣になった最大の要因は、総裁選中に自身が力を入れてきた対北朝鮮経済制裁の発動が行われた り、最後に立候補したのに、総裁選関連のニュースで一番初めに名前が読み上げられたりといった、思いがけぬ効果のお陰で、国民の支持率を取り付け、それに あやかろうとした自民党員が沢山票を入れたことである。それには、総裁になった翌日、自分が一番ニュースになる日がたまたま誕生日だったり、秘書のヒュー ザーとの癒着がまったく問題にならない等、まるで図ったような運のよさも影響したことだろう。

 また、その他の要因としては、やはり、多くの自民党員が、彼の若さに期待したからだろう。なにしろ、彼が首相になれは、歴代の首相が就任した年でもずば 抜けて若く、現在で言えば戦後生まれの始めての首相という極めてニュースになりやすい状態だったのである。
 しかし、若いといっても、それはあくまで政治家の若さであり、実年齢は、すでに娘から「お父さんの後にお風呂に入りたくない!」といわれるくらいの年 齢、もう少しすれば、娘から「お父さん。オムツ替えましょうか?」といわれる年、さらにもう少しすると、「お父さん。あっちで元気でやってるのかしらにな る。」といわれる年なのだ。
(まあ、この年で若いんですから、政治家の世界が四次元空間以上に想像不可能な場所であるかは、良く分かりますね。)
 ちなみに、彼は、上から見ても、下から舐めるよう眺めても、50代には見えないが、その点は勘弁してあげましょう。10年も自分は53だと言ってるんだ から、きっと本当なんでしょう。


 さて、彼が若かろうが、死にかけていようが、彼が新しい首相になったのは事実であり、これからどんどん我々の生活に介入してくるのは確実である。する と、彼がこれからどういう政策を打ち出すのかというのは、抜け毛のケアと同等の深刻な問題になるのである。

 だが、彼のこれからの行動を知ろうにも、彼の総裁選中の公約や彼の著書は、ライブドアの決算書を髣髴させる内容なため、実際に何をしたいかは誰にも予想 がつかない。おそらく細木和子であったとしても分からないだろう。(もっとも彼女の場合、靖国参拝以外の事を予想できるとも思えないが。)
 しかし、幸いにも、彼は、自分のこれからを示唆させる、そして極めて耳障りのよい、数々のキーワードを残してくれている。それを手がかりに、彼のこれか らを推理してみようじゃないか。ワトソン君。

 もちろん、そのキーワードとは、”おじいちゃん”と”お父さん”ですね。

いけねえ!間違えた!そうではなくて例の”美しい国”と”再チャレンジ”ですね。

 このうち、美しい国については、反論すると、「お前はこの国が汚いほうがいいのか!?この非国民め!!」とか文句がつけられて、自宅を放火されそうなの で、まあ置いておくとして、今日はもう一つのキーワード”再チャレンジ”を見ていくことにしましょう。

 この再チャレンジというのは、一度失敗した人が、再びやりなおせるよう政府が支援してあげるという、まことに結構な政策だ。失敗は成功のシングルマザー ともいうくらいだし、失敗を次に生かせるとしたら、それほど素晴らしい事はないだろう。とても、挫折もしらずとんとん拍子で首相まで上り詰めた3世おぼっ ちゃま議員の総理が考え出したとは思えない政策ですね。

 しかし、再チャレンジを支援するといっても、いったいどんな支援を、どんな失敗をしでかした人々に行うのだろうか?この政策について今のところ分かって いるのは、内閣府が”再チャレンジ1年生”という雑誌を創刊するという話くらいで、その実像は、いまだに再チャレンジ支援委員会で話し合われている状態と いうのが現状であるという。そこで、この安倍新政権の根幹をなす再チャレンジ政策をきちんと理解するために、どっかで行われているはずの、その支援委員会 の会合を覗いてみましょう。

「いやー、知事の弟さんには、是非うちが入札できるようお願いしたくてですね・・・」
失礼しました。ぼくが見たいのは、会合であって、談合ではありません。


再チャレンジ支援委員会会場にて

司 会「みなさま、今日はお集まりくださいましてありがとうございます。今日は、再チャレンジ支援委員会の会合ということで、新内閣が取り組むべき、再 チャレンジ支援について、再チャレンジの専門家であられる皆さまから、議論いただきたいと思います。ちなみに、本日の進行役を勤めます私は、新設された再 チャレンジ支援大臣を金融大臣の片手間で行うことになりました、山本です。それでは、お願いします。」
委員A「私は、中年フリーターの再就職を支援するのが急務であると思いますが、いかがでしょう?」
委員B「結構ですね。その辺が、妥当じゃないですか?公約にしちゃいましたし・・・」
司 会「他にも何かありますが?」
委員C「郵政民営化の造反議員に自民党で再チャレンジさせるのはいかがですか?」
委員A「あ〜、それは立派な再チャレンジですね。」
委員B「憲法改正に再チャレンジもいいんじゃないですか?」
司 会「憲法の改正を支援と・・・他には?」
委員C「長野でダム建設に再チャレンジはいかがですか?」
委員A「いいですね。是非やってもらいたい。」
委員D「非自民政権にもう一度政権に再チャレンジさせるのは・・・」
司 会「そいつをつまみだせ!!」
委員D「おいっ、何するんだ!?やめろ!!」

司 会「元大学教授ということで委員Uさんはいかがですか?」
委員U「私としましては・・・やはり、私のように一度失敗した人が、またチャレンジできる制度というのは、是非早急につくっていただきたいですね。恥ずか しながら、この間、前の失敗を教訓に,手鏡を使わずに、直接手で痴漢するという再チャレンジを行ったのですが、失敗してしまいまして。あの時、政府の支援 があればきっとうまくいってたんでしょうけどね・・・」
委員A「そうですね。植草教授のような人を支援する制度づくりは必要ですね。」
委員B「そういえば、今日は欠席ですが石原委員もこないだ差別発言に再チャレンジされてましたね。これは再チャレンジの追い風になりそうですね。」
司 会「そうですね。喜ばしい限りです。」
委員E「発言してもよろしいですか?」
司 会「どうぞ。」
委員E「やはり再チャレンジといえば、最終的には、アジア解放戦争の再チャレンジにつきるのではないでしょうか?」
委員A「それだ!!それですよ!!なんで思いつかなかったんだろう。」
委員B「そうだ!!そうだ!!日中戦争に再チャレンジだ!!」
委員C「再チャレンジ万歳!!」

06.09.29

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