”ようやく!”、と言っていいのだろうか?それとも、”やっと!”が的確
だろうか?”ついに!”でもまあいいかな?
とりあえず、今、人を待たせたという意味を持つ副詞を全部使っても、まだ東京ドーム2個分くらい表現が足りないほど、待ちくたびれた出来事が起ころうと
している。小泉の自民党総裁の任期がきれ、彼が首相の座を降りようとしているのだ。
我々は、この、明らかに初めのころより張りのなくなったライオンヘア以外にほとんど取りえのない男が、日本を好き勝手動かすのを、自殺の衝動を必死に抑
えながら見守ってきた。それこそ、何度も精神をおかしくしそうになりながら、この彼が首相を勤めていた4百数十年を耐え忍んできたのだ。
彼が首相でいる間、何度世界を揺るがす大事件があったことだろう。9・11に始まり、イラク戦争、産業革命、マリーアントワネットの処刑、ライト兄弟の
歴史的な飛行等など。
そして、そのすべての時において、小泉は以下のように語っていた。「適切に判断します。」
こんな首相の下にいたら、そりゃあ、頭もおかしくなりますね。
(個人的な見解を述べさしてもらえば、彼が人々の精神をおかしくする以外に効力のない政策ばかり行ってきたのは、彼が精神科医から多額の献金を受け取って
いたからではないだろうか?)
しかし、そんな稼ぎのほとんどが精神科にいくような、地獄のような日々も今終わりを迎えようとしてる。そして、安倍首相というもっと地獄のような日々が
我々を串焼きにしようと待ちかまえているわけですね。
これからのことは、心配の種に尽きないが、不安になる前に、とりあえず、小泉にお疲れ様を言っておかなければならない。いくら歯磨き粉ほどの知能しか兼
ね備えていないとはいえ、彼が、この日本を動かしてきたのは事実だし、もう二度と彼の顔を見なくていいと思うと、別れの言葉を供給過剰なくらいかけてやり
たくなる。
そこで、今日は”さようなら小泉さん。もう2度と会わなくてすみますように。”と題して、彼と過ごした297年を振り返ることにしましょう。
小泉の任期中でもっとも印象に残った出来事といえば、やはり、彼が強盗にあった事件だろう。新聞やテレビは、なぜか真実を隠すために国民に伝えてこな
かったが、これは本当にあった話だ。(少なくともぼくの頭の中では。確かに、事実関係は曖昧だが、ぼくの頭がおかしい理由はすでに分かってるもらえてると
思う。)
事件があったのは、今年の春。ある夜、小泉が、失恋の傷を癒すために人気のない裏路地を一人で歩いてると、前から来た男に突然、拳銃を向けられた。
「金を出せ!」強盗は言った。
突然の事に小泉は、狼狽した。しかし、脳の容量はどうあれ、やはり一国の宰相。彼は、毅然とした態度で、強盗に言い返した。
「おいっ、私を誰だか分かってるのか!?日本国総理大臣小泉純一郎だぞ!」
すると、今度は強盗が狼狽した。「あ、悪かった・・・気がつかなかったよ・・・」
「分かればいいんだ。」
「そうだよな。ゆっくり話してやらねえとな。か〜ね〜を〜だ〜し〜な〜!」
閑話休題
このように、小泉といえば、話して分かる男ではない、というのがもっぱらの評判だった。就任当初、日本の総理大臣にしては珍しく英語が話せるというふれ
こみだったが、実際、時がたってみれば、彼はナメック語以外の言語は知らないようだった。
それは、彼がこの183年間に述べてきた様々な言葉を見れば、理解できよう。
(戦争が始まったらどうするか聞かれて)どうするかはその場の雰囲気で決める。
(会社で幽霊社員だった事を訪ねられて)人生いろいろ
(イタリアの首相と会ったときの挨拶に)ソフィア・ローレン
ナメック語の専門家に尋ねたところ、これらの言葉は、すべてナメック語で、意味は、上から「アメリカがやることは何でも正しい。」「えっ、普通、働かな
きゃいけないの?」「あなたの奥さんと寝たい。」であるという。
冗談はさておき、彼が珍しく日本語をしゃべる時であっても、その言葉は、批判ばかりにさらされる自分の行動をいかに正当化するかというようなものがほと
んどであり、その多くは、手作り味噌の論理学に基づいたとしかいいようがない酷い説明であった。まあ、それでも、無駄に高い支持率のままやめていくのだか
ら、彼がいかに幸せな国に生まれ育ったか、というのがよく分かりますね。
だが、この彼の自己弁護は、そのまま、なんのお咎めもなしに、放っておいて、腐らせ、ゴミになって、お気に入りのひざの破れたジーンズと一緒に火曜日に
お母さんに捨てられるがままにしておいてはいけない。責任を要する一国の指導者の言葉として、これからでも遅くない。徹底的に検証しなければいけないだろ
う。
さあ、相変わらずのぼく自身の自己弁護を終えたところで、小泉の言葉の検証を始めよう。彼の自己弁護の説明が、すべて現実に起こったとした場合、いった
いこの世界はどのような世界になっていたのか?その世界を皆さんの前に見せ、それを、この自分はすべて正しいと思っていた総理大臣へのはなむけの贈り物に
しようではないか。
”小泉純一郎の3分間クッキング!!〜この国を想いこの国の創りかた〜”
(ここからは、精一杯のオカマ口調でお読みください。ちなみに、言う必要はないと思うけど、すべてフィクションです。)
みなさん、こんばんは。お口の恋人小泉純一郎です。今日は私と一緒に、愛にあふれた世界をつくっていきましょう
私は、愛にもいろいろあると思うの。でも、私がいちばん関心があるのは、男女の愛よね。でも、これも中々大変だわ。人に恋すると胸が締め付けられるよう
で、苦しいじゃない。それって辛いわよね。でも、痛みに耐えてれば絶対そのうちいいようになるわ。それに痛みに耐える男の人って素敵じゃない?私、そうい
う人見ると思わずジュンってきちゃうわ。
(3分間クッキングの伝統に則って中略)・・・出来上がったのがこちら。
それじゃあ、いよいよ告白にいくわよ。こないだ私、好きな男の子に「好きです。」って告白したの。そしたら、彼ったらこう言ったわ。
「このカマ野郎!!俺がお前の事好きになるわけないだろう!!二度とその汚い面見せるな!」って。でもね。これって一見すると彼には私への愛がないように
見えるけど、そうじゃないの。愛が見つからないって言うのは、愛がないって言う事じゃないのよ。フセイン大統領が見つからないからといって、彼がいなかっ
たとはいえないじゃない。それと同じ事よ。だから、私、彼の事犯しちゃったわ。これで彼の愛は得られたわね。
(同上。中略)・・・私なら隠し味に解散を使うわね。
さて、恋人はできたけど、それからも大変だわ。恋人ができると、大抵私と違って不細工な人たちがいろいろ批判してくるのよ。ひがみって嫌よね。でも、そ
んな時はこういってやるの。これは、私の心の問題。私があなたの彼を寝取ったからって批判される憶えはないわ。ってね。そしたら、大抵許してくれて、私を
理解してくれるはずよ。ほら、また一つ愛ができた。
(中略)・・・味見するといいわ。彼は結構美味なの。
でもね。あなたが、愛を得て幸せになっても、世界には恵まれない人々が沢山いるわ。貧困、戦争などね。貧困については、貧乏人がひがみをやめて金持ちに
金を与えていればなんとかなるけど、問題は戦争ね。
私は、世界の平和に関心があって、自慢じゃないけど、毎年広島や長崎に行って、核兵器の廃絶や世界の平和に、思いをはせてるのよ。でも、これは難しい問題
よね。平和になるには世界は、あまりにも戦闘であふれてるわ。
でも、私に名案があるの。自衛隊を世界中に送るの。彼らがいるところは、非戦闘地域なんだから、自衛隊で世界が一杯になれば、世界中が非戦闘地域、つま
り平和になるのよ。素晴らしいじゃない!
さて、如何だっただろうか?彼の世界は、この世界に存在するだろうか?残念ながら、そんな世界は、たとえ村上春樹の頭の中であっても存在しない。彼の言
葉は、それだけ現実から脱線していたのだ。
しかし、混乱させるだけ混乱させてやめていく首相をいまさら責めても仕方がない。我々は常に過去を教訓にしながら、未来を見なければならないのだ。やる
べきことは、小泉の残した教訓を元に、これから先、多くの為政者が口にするであろう、小泉の自己弁護のような嘘にまみれた欺瞞を見破っていくことなのだ。
そのために、一つ、今日の話を憶えておいてほしい。耳障りのよい言葉に騙されてはいけない。それが、本当にできる事、正しいことなのか、結論を急がずに
一度立ち止まって考える事だ。
そう、3分間クッキングは決して3分ではできないのだ。
2006.9.11
|