社会風刺ユーモアコラム〜ハブの卵〜

コラム ☆日本政府の正しい食事教室☆

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 我々、現代人の食生活は、とかく乱れがちだといわれる。朝食を抜くのは朝飯前、かと 思えば間食を7度も8度も楽しみ、夕食をマクドナルドの舌にいやな感覚を残すことのみに全力を注いだとしか思えないハンバーガーで済ます。また無理なダイ エットに精を出し、無駄に食事を減らしたりする人も後をたたない。まあ、こういう人に限って、ケーキの年間消費量は東京ドーム3個分にもなるらしいが。
 こんな食生活を続けていたら、当然栄養バランスは政治的に偏り”大東亜共栄圏を建設するのだ!”とか言い出し、体を壊すのも当然というわけで、実際、生 活習慣病(つまり糖尿病とかガン)や肥満(つまりデブ)は右肩上がりに増え続けてるといわれる。

 こんな状況を黙って見過ごすわけに行かない。男達、そして女達が立ち上がった。彼らの名前は日本政府。この現代人の食生活を改善すべく、食育基本法なる ものを作り出したのだ。
 食育という聞いたこともないような言葉をでっちあげてまで作ったこの法案の目的は、食事の大切さを認識してない現代人に、きちんとした食事をさせて、健 全な心と身体を取り戻させる事だ。そのために、どういうものを食べたらいいかというアドバイスをくれるらしい。
 もしも、どこかに食生活が乱れがちな人がいようものなら、すぐさま、この度新設された食育担当大臣が家までとんできて、食事の仕方の手ほどきをしてくれ るのだ。

昼過ぎ。ある青年がようやく寝床を離れた。
「あー、もう2時か?腹減ったし、カップラーメンでも食うか・・・」
そのとき、家のドアが勢いよく開き、男が入ってきた。
「ちょっと待ちたまえ青年よ!」
「誰だ!?」
「私は食育担当大臣。君の食生活を改善すべくやってきた。」謎の男は答えた。
「食育担当大臣!?」青年は、本気で驚いた。食育担当大臣が家にいるからではなく、食育担当大臣なんてアホみたいな役職があることを知ったからだ。

「朝食が2時というのは遅すぎる。理想としては、朝の6時だ。それに、カップラーメン?うわぁ、吐き気がする。そんなものが朝食だなんていかん!いいか青 年!朝食は身体を作るうえでの基礎だ。それを怠っていては豊かな人間になれないんだぞ。」
「分かったよ。じゃあ、パンにするよ。」
「パンもダメだ。日本人としての伝統にのっとって米にしなさい。米に。」
「うるせえな。じゃあ、実家から送ってきたこの無農薬有機栽培米に・・・」
「おいっ!それは販売に農協を通してない米じゃないか?そんなもんを食べるというのは、食事とはいえない。きちんと農協を通した米を食べなさい。」
「じゃあ買ってくるよ。」
「よろしい。だが、オカズはどうする気だ?」
「知るかよ。ふりかけでもかけて食べるよ。」
「だめだ。米だけだと、栄養バランスが崩れる。きちんとおかずも作りなさい。一汁三菜だ!」
「何それ?」
「一汁三菜だよ。学校で習わなかったのか?日本人は古代より栄養バランスの事を考えて汁物一品、おかず三品を食べてきたんだ。これを実践してれば、健康な 身体になれる。」
「でも、そんなに何食えばいいんだよ。」
「そういうだろうと思ってメニューを持ってきた。まず汁だが、煮干からだしをとった味噌汁だ。具は野菜を沢山。それから、三菜の方は、まず漬物。それか ら、きんぴら。メイン料理はクジラが理想だな。クジラを食べるのは日本人の伝統だ。」
「こんなに作るのか?面倒くせ〜。」
「面倒くさくても、心と身体のためだ。」

1時間半後
「はあ、やっとできた。我ながら4品もよく作ったよ。」
「よくやった。もう4時をまわってるが、完璧な朝食だ。もう何も言うことはない。」
「じゃあ、食べてもいいんだな?」
「もちろんだ。だが、私も食べていいかな?朝から何も食べてないんだ。」
「何!?当然、朝の6時に食べてるんじゃないのか?」
「ああ、いつもはな。でも今日は妻もお手伝いさんもいなくって、それでね・・・」

2005.08.05
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