度重なる、自爆テロや公開処刑、無差別攻撃に内戦扇動、強盗、詐欺、強姦未遂、都迷
惑防止条例違反、立ちション等々でイラクを恐怖と混迷に陥れていたもののうちで、米軍ではないほうである、アブムサブ・ザルカウィ・テロリストが、ついに
死んだ。アメリカ軍が、周到な追跡の末、一人の人間を殺すにしては、破壊力があまりに大きすぎるミサイルで、案の定女子どもを巻き添えにしながら、彼を殺
害したのだ。
なお、爆撃後に、虫の息のザルカウィを殴ったアメリカ兵の証言によると、彼の臨終の言葉は「まじ、シャレになんねえ!」だったという。合唱
アメリカ軍は、かねてから、この男をイラクにおける2番目の敵と想定しており(ちなみに最大の敵はラムズフェルト国防長官)それこそ目を血走らせて追っ
かけていた。西部劇よろしく、彼の殺害に懸賞金2500万ドルと米産牛肉1年分までかけていたのだから、その情熱ぶりがお分かりいただけるだろう。
そうまでしていたものだから、彼の殺害にアメリカは熱狂した。とくに政権筋は、テロリストを一人殺しただけなのにもかかわらず、「テロ戦争におけるアメ
リカの勝利だ!」と騒ぎまわり、アメリカの勝利を喧伝した。当然、”おいおいビンラディンはどうしたんだよ?”という疑問が誰の脳内にも現れるところだ
が、アメリカに都合の悪い事は言わないでおこう。何事も礼儀というものが必要なのだ。頭に銃口を向けられている時には特に。
さて、当然の事ながら、この殺害をうけて、一番はしゃいだのは、我らがブッシュ・テロリスト・・・じゃなかった、ブッシュ大統領ですね。彼のはしゃぎぶ
りは尋常ではなく、なんとザルカウィの殺害後に、突然バクダッドを電撃訪問までするという、はしゃぎっぷりだったのだ。
ちなみに、この電撃訪問は、一部政府高官にしか知らせておらず、しかも、飛び立つ直前まで、日本の何かの代表と会談しており、その最中に「ちょっと疲れ
たから寝室で休むよ。」と言って寝室で休んだように見せかけて、実はバグダッドに向かうという、スパイ小説さながらのお忍び旅行だったらしい。
なんでも、イラクで危険な目にあわないために、ここまで過剰に秘密にしたらしいが、そんなものは眉唾物である。あのブッシュの事だ。おそらく真相はこん
なところだったのではないだろうか。
ブッシュ「ふぁ〜。悪いな、ジャップ・・・いや日本政府の皆さん。私は、ちょっと疲れたから、寝室に行く事にするよ。」
日本政府代表「分かりました。大統領。お休みなさい。」
ブッシュ「ああ、お休み・・・ふー、疲れた、疲れた。」
朝
ブッシュ「あ〜、よく寝たぜ!・・・おやっ、ここはどこだ?」
米兵「バグダッドですよ。大統領閣下。」
ブッシュ「やべっ!寝室と間違えた!!」
閑話休題
寝室とバグダッドを間違えるようなバカは放っておいて、そろそろ本題に入ろう。本題とは、このザルカウィの殺害に見え隠れする、アメリカの陰謀について
の話である。
”なんだ、また陰謀説か?”とか言わないでいただきたい。確かに陰謀説には違いないが、この陰謀説は、ぼくの後見人であり、どっかの大学で世界陰謀史を教
えるイニャストラフ・セルディンスキー教授(セントバーナード)のお墨付きをいただいた、由緒正しい陰謀説なのだ。
では、その陰謀とはいったいどういうものなのか?
それを知るために、ザルカウィの殺害から、少しだけ時計の針を戻してみる事にしよう。
6月の頭、まだ武部自民党幹事長の髪の毛が今より30本ほど多かったころの話。当時のアメリカ政府とブッシュ大統領への風当たりは、ハリケーンカトリー
ナを髣髴させるほど激しかった。度重なる失政で支持率は急降下、イラク戦争の正当性もようやく(そう、ようやく!!)疑問視されはじめ、2期目の政権が
レームダック(北京ダックの仲間)になるのは時間の問題だった。
そんな折、政権の息の根を止めかねない新たな疑惑が持ち上がった。その疑惑は、新聞の誰も読まない2ページ目の端っこのほうに申し訳なさそうに載ってい
た。
なお、公平を期するために、そして、いつものようなでっち上げと思われないために、また、文字数を増やすために、新聞に載っていた文をそのまま掲載しよ
う。
(出どころ・朝日新聞6月4日朝刊)
> 米軍のイラク市民殺害、3件を調査
>
イラク駐留米軍による市民殺害の疑いが相次いで指摘されていることに関し、米ホワイトハウスのスノー報道官は2日の会見で「3件について米軍が調査してい
る」と明らかにした。一方、駐留部隊は新たな規律訓練を始めることを決めた。
>
>
報道官が調査を認めたのは、(1)西部ハディサで昨年11月に市民24人が殺害された事件(2)中部ハマンディヤで今年4月にイラク人男性が射殺された
事件(3)中部イシャキで3月に子供や女性を含む市民11人が殺害されたとされる事件。ハディサの事件では海兵隊が無抵抗の女性や子どもらを射殺した疑い
がもたれている。
そう、なんとアメリカ軍が虐殺を行っていたというのだ。新聞はアメリカに配慮してあまり大きく取り上げず、内容もしっかり報じていないが(何事も礼儀と
いうものが必要なのだ!)、ぼくが情報源にしている虫の知らせによると、なんでも、金がないために軍に入隊しイラクに送られた、主に20歳前後の若者で構
成されるアメリカ軍の一隊が、精神的にまいっていただか、人殺しをゲームのようだと教えられたとか、クスリでラリってただとかで、なんの罪のない一般イラ
ク人を殺して回ったというのだ。
こんな痛ましく、かつ東京裁判なら死刑になる事件がおきたのだから、当然、ぼくと同じくいたいけな若者達を(その疑うような目はなんだ!!)戦場に送っ
たブッシュ政権の責任は激しく問われるはずだった・・・のだが、しかしそうはならなかったのである。
というのも、そのわずか5日後、アメリカ軍はザルカウィを殺害し、アメリカ人は勝利の美酒に酔いしれたのである。これにより、ブッシュの支持率は回復、
虐殺疑惑は人々の脳裏から見事に消え去ってしまったのだ。
なんとも、都合のよい話である。だが、こんなに都合のいい事がこの無慈悲な世界で起きるわけがないではないか。我々が、日々、あれやこれやのかなわぬ夢
を指をくわえつつ、妄想で我慢してるというのに(おっと、中身はシラフじゃ言えねえな。)アメリカだけが、こんなにうまい事いくなんて、できすぎた話では
ないか!?
そう思うと、このザルカウィ殺害はアメリカが虐殺疑惑を人々の関心からそらすためにしかけた陰謀にしか見えないのである。おそらく、ザルカウィの居所は
前から知っていて、タイミングを見計らって殺したのだろう。もちろん、それが本当であるかどうかは分からない。残念ながら、この手の真実はいつだって闇の
中なのである。
しかし、それが陰謀であるにしろ、陰謀でないにしろ、最大の問題は、テロリストを殺したことで、虐殺の事を忘れてしまう、我々の姿勢にある。
だからこそ、我々は世界の政権を監視する地球市民として、たとえどんなことがあっても、そう、戦争に勝とうが、隕石が降ろうが、アルマゲドンがおきよう
が、鈴木宗男が復活当選しようが、虐殺のような大きな問題は忘れてはならず、常に心に留めておかなければならないのである。そうすれば、間違いなく秘密保
持のためにCIAに撃ち殺されますね。
ハハハ、ウソ、ウソ。冗談ですよ。いくら、CIAでも一般市民を撃ったりなんか・・・バーン
うわあ、撃たれた!う・・・うぅ・・・クソッ、俺の靴下が・・・
さて、とんだ邪魔が入ったが、趣旨をご理解いただいただろうか?つまり、我々は、陰謀には気をつけなくてはならないということのだ。なにせ、相手は、あ
のアホで狡猾なブッシュ政権とその仲間。すべてが陰謀であるということも可能性としてはありえるのだ。
その陰謀に引っかからないためにも、我々は、時々の情勢に流されないようしなければならない。それこそ、やつらの思う壺だ。
さあ、では陰謀を振りかざし、姑息な手段ばかり使うブッシュ大統領と戦おう。我々は決して陰謀には屈しないのだ!!
・・・以上、日本反米主義協会岩手県支部後援の、反米活動家養成コラムでした。
(注・このコラムは、陰謀によって、読むと反米活動家になるよう仕向けられています。)
2006.06.23
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